くも膜下出血のため7日に亡くなった巨人木村拓也内野守備走塁コーチ(享年37)の通夜が9日、木村家と巨人球団の合同葬として広島市西区の平安祭典で行われ、加藤良三コミッショナー、広島松田元オーナー、巨人桃井恒和球団社長、元広島監督の達川光男氏ら約800人が訪れた。3人の子どもを連れ、喪主を務めた由美子夫人は「多くの方にお集まりいただき、亡くなった拓也も感謝していると思います」と声を詰まらせながらあいさつした。

 この日、広島市は昼すぎから雨が降り出した。99、00年に広島の監督を務めた達川氏は空を見上げた。「タクが喜ぶコンディションですよ。風、雨、条件が悪いほど、はつらつと喜んで試合に出てましたよ。今日も『やるぞー!』と思っていると思います」と声を詰まらせた。木村拓コーチは常に全力で体を張り泥くさいプレーを見せてきた。恩師は木村拓コーチの“第2の故郷”の空に、在りし日の姿をしのんだ。

 通夜が行われている間、約700キロ離れた東京ドームでは、巨人は中日と首位決戦の真っ最中だった。多くが通夜や告別式への参列を望んだという。清武球団代表は「選手を止めるのが大変でした。彼の37年の人生、19年の現役生活を無駄にしないよう魂を引き継いでいきたい」と話した。

 告別式は10日午前11時から同所で営まれる。【古川真弥】

 [2010年4月10日8時43分

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