<巨人2-3阪神>◇14日◇東京ドーム

 首位巨人が2日続けて競り負けた。1-1の8回、10日の中日戦で先発した山口鉄也投手(26)が中3日で登板したが、1死満塁の場面で阪神ブラゼルに右前適時打を許して2失点。両軍計7本塁打が飛び交った前夜とは一転して先発ゴンザレスが踏ん張ったが、救援に戻った頼みの左腕が失点し、前夜に続く後味の悪い敗戦となった。

 執念の采配も実らなかった。試合後、原辰徳監督(51)は「8回の2失点が痛かった?結果的にはそうですが、粘って、粘って3-2です」と強調。本拠地で伝統の一戦に連敗したが、努めて冷静に振る舞った。

 指揮官の強い意志は、投手起用に詰まっていた。先発ゴンザレスと阪神久保の投げ合いで、7回まで1-1。ゴンザレスの球数が100球を超えて迎えた8回が、勝負の潮目と判断し、同点の場面で、2番手に山口を投入した。

 山口は10日に先発で102球を投げたばかり。中3日と酷な状況だったが、鳥谷、金本と左打者が続く場面で送り出した。クルーンが右手親指負傷で離脱。守護神不在の事態に、先発転向した山口を再び救援陣に戻した。昨季まで中継ぎの屋台骨だった左腕への信頼は、変わらなかった。

 結果は裏目に出た。鳥谷が内野安打。続く金本は一ゴロに仕留めたが、二塁封殺後、併殺を狙った坂本の一塁送球がそれた。記録上、坂本に失策はついておらず、併殺が取れたかは微妙なタイミングだったが、走者が残った。ここから安打と死球で1死満塁。最後はブラゼルに勝ち越しの2点適時打を許した。

 結果的には8回が明暗を分けたが、先発投手にも原監督の意志が表れていた。ローテ順なら内海の登板日だったが、ゴンザレスを巨人移籍後初めて中4日で先発させた。本調子ではない状態が続く右腕。原監督は「前回(9日)の球数(87球)などすべてにおいて」とだけ話したが、斎藤投手コーチは「間を空けることも考えたが、監督と話して、投げてコンディションを上げたほうがいいだろうということ」と説明。狙い通り7回5安打1失点に抑え、復調の兆しを見せた。

 ゴンザレスを復調させ、山口を中継ぎに戻す。今後の戦う形を見せた敗戦だった。ただ、3連敗は避けなければならない。登板順が入れ替わったことで、15日は内海が先発。開幕から3戦3勝の好調左腕が、中6日と満を持してマウンドに上がる。【古川真弥】

 [2010年4月15日8時43分

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