<広島7-8楽天>◇14日◇マツダスタジアム

 広島の主砲栗原健太内野手(28)が、21年ぶりに球団記録を塗り替えた。適時打を含む2安打を放ち、2日の中日戦から9試合連続のマルチ(複数)安打。89年にロードンがマークした球団記録を抜き、10試合連続のプロ野球記録に王手をかけた。

 まずは3回2死二塁、カウント2-1から楽天ラズナーの直球を中前適時打。「コンパクトに振れた。今は追い込まれたら、大振りにならないように意識している」というスイングで、6回には無死二塁から、詰まった当たりが二塁後方へ落ちる幸運な安打となった。4月終了時点で2割1分8厘だった打率は2割9分1厘まで急浮上した。

 内田打撃統括コーチによると不振時は「左ひざが割れ、それを補おうと右足で押し込んでいた。体の回転で打てず、内角の球には詰まり、打球にも力が乗らない」という状態だった。そこから、バットを振り続けて不振脱出の手がかりをつかみ、完全に目覚めた。

 連続試合マルチ安打の期間中、打率は5割を超え、3本塁打、11打点。延長戦で敗れ、責任感の強い4番打者は「記録のためにやっているわけではないので…。チームが勝たないことには」と言葉少なだったが、低迷するチームを引っ張るのは、やはり、この男しかいない。【高垣誠】

 [2010年5月15日8時21分

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