<日本ハム7-1巨人>◇18日◇札幌ドーム

 巨人がミスミス、連勝を3で止めてしまった。北の大地、札幌での日本ハム戦。坂本勇人内野手(21)の2失策など、1981年(昭56)9月28日以来となる5失策と守りが乱れ、攻撃でも3併殺打とらしくない試合運び。先発の内海哲也投手(28)も6回途中6失点(自責4)で今季初黒星を喫した。

 監督の仕事は、ほとんどなかった。先発メンバーがフル出場したのは、代走や代打を送る見せ場すら作れなかったから。ぐうの音も出ない完敗に、巨人原監督は笑みを浮かべてロッカールームから出てきた。「今日の試合は淡々と終わってしまいましたね」。昨秋の日本一胴上げ以来となる札幌ドームでの試合。北の巨人ファンを喜ばせたのは、小笠原の適時打で1点を先制した3回の攻撃だけだった。

 散発5安打、3併殺打の拙攻がかすむほど、守りでミスが続出した。2回に李承■が一塁線のゴロをトンネル。3回には坂本と谷の失策が絡んで一挙4点を奪われた。7回には守備に定評のある古城までもがゴロをはじいた。終わってみれば、巨人では81年以来となる1試合5失策を記録した。先発内海は抜群の立ち上がりを見せていただけに、原監督は「今日はピッチャーの足をかなり野手が引っ張りましたね。(守りはチームにとって)一番大事なところです。それぞれが反省しないといけません」と、歴史に残る守乱を嘆いた。

 5つのエラーのうち2つを坂本が犯した。3回には捕手からの送球を後逸し、5回には決して難しくないゴロを捕球ミス。リーグワーストの失策数は11に膨らんだ。守備範囲に個人差がある遊撃手は必ずしもエラー数が守備力に直結するわけではないが、粗い守備が目立つのも確か。攻撃では2安打を放ったものの、喜べるはずはなく「チームに迷惑をかけてしまった。これが自分の実力。しっかり練習して頑張ります」と神妙な表情でバスに乗り込んだ。

 担当記者の質問が途切れると、原監督は「もう(質問は)いいの?

 記者会見も淡々と終わってしまったね」と会見の最後も笑顔で締めくくった。失策数は両リーグワーストタイの33と増えたが、セ・リーグ首位の座は安泰で、交流戦もまだ白星が先行している。29年ぶりの屈辱を、明日への糧にできればいい。好調なチームが足元を見つめ、手綱を締め直すには、負けっぷりは派手な方がいいのかもしれない。【広瀬雷太】※■は火ヘンに華

 [2010年5月19日8時45分

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