<中日7-1巨人>◇10日◇ナゴヤドーム

 1・5ゲーム差は変わらず。首位巨人と2位阪神がそろって負けた。巨人は先発の藤井秀悟投手(33)が5回9安打6失点で中日打線にKOされるなど球団ワースト記録を更新する10試合連続2ケタ被安打で、3連敗を喫した。

 巨人の「投壊」が止まらない。1-6で迎えた8回。3番手の福田が1死から代打堂上剛に右前打を許した。球団ワースト記録を更新する10試合連続の2ケタ被安打。続く荒木の適時二塁打で、ダメ押しの7点目が入った。3連敗を喫した原辰徳監督(51)は「ベストを尽くしても本意でない結果が出る。そういう時もありますよ」と完敗を淡々と振り返った。

 先発藤井が、守備にも足を引っ張られて序盤につかまった。2回1死満塁。中日堂上直の左中間への飛球に、ダイレクトキャッチを試みた中堅松本のグラブは届かず、カバーに入った左翼ラミレスも後逸。二塁打で食い止められた打球を、走者一掃の三塁打にしてしまった。結局この回だけで4失点。伊原ヘッドコーチは「能力不足ということ」と、ため息をもらした。

 守備に難のあるラミレスが常に試合に出られるのは、それを補って余りある「得点力」を期待されているからにほかならない。しかし、7月は32打数3安打で打率は1割にも満たない。苦しい時こそ頼りになるはずの4番打者が、攻守両面でブレーキ役になっているのが現状だ。失点を招いた拙守について、原監督は「それ(タラレバ)を言い出すと、いろいろ言わなきゃいけなくなるから」と苦笑いを浮かべた。

 リーグ3連覇中の「横綱」らしからぬ、苦しい戦いが続いている。7月は8戦で早くも6敗目。序盤から主導権を握られ大差で敗れるケースが目立つ。2位阪神との勢いの差は歴然で、局面を打開する特効薬は見当たらない。原監督は自分自身に言い聞かせるように「切り替えていくしかない」という言葉を繰り返した。【広瀬雷太】

 [2010年7月11日12時25分

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