7年ぶりのリーグ優勝を飾ったソフトバンクの主将・小久保裕紀内野手(38)が、日本一に向け「ミニキャンプ」を実施する。悲願Vから一夜明けた27日、チームは仙台から福岡に凱旋。小久保は3日間の休息の後、短期決戦用のトレーニングを開始する予定。みやざきフェニックス・リーグ参戦も表明し、CS制覇&日本一への準備に入る。

 144試合目に逆転Vを飾る劇的フィニッシュの一夜明け、小久保に日本一プランは出来上がっていた。チームは来月1日から全体練習スタート。だが、小久保は再始動を1日前倒して今月30日に決めた。

 「1度体を完全に休ませて短期決戦用の体を作りあげる。昨年はシーズンからCSまでの期間が短かった。今年は違う。ミニキャンプをイメージしている」。CS&日本シリーズ制覇へ、ミニキャンプを計画している。

 持久力よりも瞬発力を最大限に引き出すトレーニングへとシフトする。夏場以降は週1日に控えていた筋力トレも本格的に再開する方向。短距離のダッシュなど走り込みにも重点を置く練習メニューを、すでに準備している。

 さらに秋季教育リーグのみやざきフェニックス・リーグ(5日開幕)についても「行くようになるやろ」と参戦を表明。チームも現在同リーグへの選手派遣を検討しており、メンバー編成している段階だが、小久保は2、3試合の試合出場で実戦感覚を取り戻すことを描いているようだ。「体を1回休めても大丈夫。2カ月動かしてなくても2週間で戻るのだから」。ミニキャンプ・プランに不安はない。

 激戦を制した実感は刻々とこみあげてくる。前夜は100件以上の祝福メールが届いた。「巨人の選手からも連絡あったし、(阪神)城島からもあったわ。アイツ(城島)律儀やな。でも(セ・リーグは)中日の方が有利なんやろ?」。内容は伏せたが、かつてのチームメートのお祝いがうれしくないはずがなかった。

 もちろん、新たな戦いへ向けて、気持ちをリセットする。29日までの休息期間には、実家のある和歌山に向かって墓参りを予定。前夜は各選手のテレビ出演などがあり、全選手集まっての祝勝会が、福岡到着後に持ち越された。この日の仙台出発前には「今日は楽しみやなあ」とナイン、スタッフが集まっての祝勝会に目を輝かせた。

 福岡空港では500人のファンの出迎えを受けた。「平日なのに、うれしいね。(球場入り口に飾られた)花の数にもびっくりしたよ」。笑顔で本拠を後にした主将が、つかの間の休息を経て、再び戦う男となって帰ってくる。【松井周治】

 [2010年9月28日11時22分

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