<横浜0-5阪神>◇6日◇横浜

 執念のバント安打だった。4点リードの最終回無死一塁。城島健司捕手(34)が、三塁線に絶妙のゴロを転がした。無死一、三塁とチャンスを広げて、続く坂の犠飛で5点目をゲット。勝利を決定づけるダメ押し点を演出した。

 城島

 ウチは絶対に勝たないといけない。4点目より5点目、5点目より6点目をとりにいくのは当然。

 甲子園でのCS開催へ、最後まで全力を注ぐ。5回無死二塁では加賀の外角スライダーにバットを伸ばして右前適時打。好投の久保に先制点をプレゼントした。「ノーアウトでスコアリングポジション。何とか三塁に(進める)という気持ち。あれを引っかけてサードゴロもあるけど、うまく打つ時もある。どっちも僕の打撃」と振り返った。

 最後の最後まで勝利が優先だ。この日は4打数2安打1打点で打率3割4厘とした。7日の最終戦は7打数無安打(2割9分9厘8毛)でも規定上は3割を保つ。ただジョーは「終わってみないとわからない。8タコ、9タコ、30-30になって延長戦で12打席回るかもしれない」と早口にいった。そして表情を引き締めて「2割9分8厘で全部に出るのと、3割で途中で休むのは全然違う。僕はバットマンとして技術で3割をとりたい。休む気は全くない」。見栄えがいい移籍1年目の打率3割よりも、勝利への貢献を求めている。

 「勝ち続ければ自力(の2位)がある。明日も最後まで。今までの143試合を無駄にしないためのゲームになる」。甲子園CSを呼ぶ2位、そして全144試合出場へ。城島が勝利でレギュラーシーズンを締めくくる。

 [2010年10月7日11時32分

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