何と五刀流だ!

 ソフトバンク内川聖一外野手(28)の5ポジションチャレンジが10日、本格化した。主戦場の左翼だけでなく、シートノックと投内連係プレーで三塁、一塁に挑戦。外野は全3ポジションに取り組む予定だ。FA加入した新戦力が、複数ポジション制を押し進める秋山野球の目玉になってきた。

 背番号24が左翼にも、三塁にも、一塁にも陣取った。午前中の守備練習。外野シートノックで左翼に入った内川が、内野ノックに切り替わると、内野グラブを手に三塁へと向かった。公式戦での三塁守備出場は06年以来、経験していない。主将小久保に「アゴ~っ」とニックネームを呼ばれながら、5年ぶりにホットコーナーを味わった。

 内川

 こればかりは(守備位置を)判断するのは僕じゃないですからね。5年ぶりにやりましたから。

 2ポジションの練習では終わらなかった。投内連係プレーやバントのサインプレーになると、一塁の守備位置にダッシュ。松中や松田ら一塁出場が少ない選手と一緒に、投手とのタイミングを合わせた。

 ソフトバンクにとって、内川に三塁と一塁を経験させる意味は大きい。松田は過去2年間で骨折3度。オーティズも右膝手術明け。一塁では昨年小久保が1カ月の離脱を経験。ファーストを争うカブレラも今年40歳と高年齢だ。故障者が続出したケースでは内川の存在は、より貴重になる。

 大石ヘッドコーチ

 (三塁も一塁も)覚えていて損はない。可能性がある以上(練習に)入ってもらう。故障者が複数出る場合もある。外野も全ポジション守る可能性がある。

 鳥越内野守備走塁コーチ

 (内川は)現時点でポジションが決まっていないからね。(三塁での)送球も思った以上によかった。まずは外野のところだろうが(起用ポジションは)話し合いをしながら。

 外野の3ポジションを合わせれば、内川だけで5パターンのシフトを準備できる。内川が複数ポジションを守れれば、どのケースでも戦力ダウンが最小限で食い止められるだけに、他球団にとってやっかいこの上ない。

 もちろん、自慢のバットでも安打製造器ぶりを発揮した。この日から始まったシート打撃で2打席立つと、右中間を抜けそうな右翼ライナーと、中直。いずれも芯でとらえた打球だ。内川の打力があれば、守備に多少目をつぶっても、センター起用の超攻撃布陣もあり得る。秋山ホークスの目玉の1つに、内川の守備位置が加わった。

 [2011年2月11日11時25分

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