オー様を忘れるな!

 右膝手術の影響で別メニュー調整を続けていたソフトバンクのホセ・オーティズ外野手(33)が初実戦で強烈な一打を放った。16日の紅白戦に白組8番指名打者で先発。3回の第1打席で右中間最深部へ二塁打を放った。

 「打撃練習はやっていたからその延長戦でやっただけ。もっと球を見たかったけど、打てる球が来たから初球からいった」。

 第2打席の中飛もフェンスぎりぎりまで打ち返した。カブレラらの加入でDHでも左翼でも定位置争いは激しいが、故障明けとは思えない打撃で存在感を十分に見せつけた。

 オフに半月板の手術を行った右膝の状態は、まだ万全ではない。だが、助っ人とはいえレギュラーを保証されていない今季の状況が、初打席の初球から大砲を突き動かした。陽耀勲の投じた137キロの外角直球を迷わずフルスイングし、強烈な打球で右中間を破った。

 「体が自然に反応した。できあがり方も悪くない」。

 秋山監督も「真っすぐをしっかり打っていたね」と助っ人の力強い一打を喜んだ。回復がどうあれ、開幕直後はDHとなることが濃厚で、カブレラとその座を争う可能性が高い。それでもこの日はフリー打撃中に自ら左翼の守備位置につき、初めて打球を捕る練習も行った。

 「(シートノックは)膝の状態と相談しながらになる。明日(17日)も打球捕はやりたい」。

 オーティズがDHだけでなく左翼や三塁の守備につけるようになれば、競争は一段と激化する。カギを握る助っ人がたったひと振りで存在をアピールした。

 [2011年2月17日10時42分

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