ヤクルトの早大OBトリオが、佑ちゃん初先発の刺客になる。小川淳司監督(53)は18日、日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が先発デビュー予定の20日の練習試合(名護)で、青木宣親外野手(29)田中浩康内野手(28)武内晋一内野手(27)の早大出身3選手を1~3番に起用するプランを明かした。青木が初球打ちを「予告」するなど、3人合わせてプロ通算1840安打、114本塁打の手ごわい先輩たちが、後輩の門出に全力プレーで立ち向かう。

 ◆早大野球部事情

 「ワセダは特に上下関係が厳しいゾ」。田舎から上京する際、聞かされた言葉だ。私は93年に早大野球部に入部した。大学の体育会は4年生が「神様」と言われた時代もあったというが、周囲が思うほど厳格さは感じなかった。グラウンド整備など1年生の「仕事」に不備があれば、右翼ポール際に全員が集められ、先輩から指導を受けたことはある。

 当時の主将は、のちに巨人、横浜で活躍した仁志敏久氏。同期で入部した大越基氏(元ダイエー)が1年秋に退部したこともあってか「理不尽なこと」をさせないようにしていたと聞いた。ただし当時アマ球界トップクラスの選手だった仁志さんの背中からは、厳然たるオーラが出ていた。当然、1年生の多くは、まともに言葉を交わすことはできなかった。

 今はさらに上下関係は厳しくないと聞く。OBとなれば、もはや社会人。なおさら上下のこだわりはない。両手で握手するような礼儀正しさを持つ斎藤選手なら、先輩は逆に恐縮してしまうのではないか。【アマチュア野球担当・清水智彦】

 [2011年2月19日7時55分

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