ロッテのサブロー外野手(34)が意欲の3時間居残りを敢行した。午後2時半すぎにメーン球場でスタートした特打は、途中で室内練習場へと場所を替え、終了は午後5時45分。「納得できるまでやった」。気がつけば外は暗くなっていた。

 20日のアップ中、金森打撃コーチと話をした。「名球会の右打者には体を開いて打つ選手が多い」。打撃練習で取り組んだが、思うようにいかなかった。「しっくりいかないというよりも、ボロボロだった。僕は負けず嫌いなんで」。納得できるまで振り込んだ結果が3時間だった。

 プロ17年目のベテラン。腰や太もも裏に不安を抱える中、これだけの練習に打ち込めるのは、キャンプ直前に導入した秘密兵器の力がある。SSKの担当者から繊維に磁気を埋め込んだTシャツを渡された。毎日の練習後に着用。「筋肉をゆるめる効果がある。血行もよくなって、寝ているときでも体が熱くなる」と、今では体のケアに欠くことのできないものになった。

 最終クールにして新打法に取り組もうとする向上心と、体に気を配る繊細さがあるからこそ、サブローの今がある。「こういう時があってもいいでしょう」。汗をぬぐった表情には充実感があふれていた。【鈴木良一】

 [2011年2月21日9時8分

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