ソフトバンクのアレックス・カブレラ内野手(39=オリックス)が26日の広島戦に「4番DH」で本拠地デビューする。25日、福岡ヤフードームでの全体練習では高らかに打点王を宣言した。宮崎キャンプ途中から腰痛で別メニュー調整だったが復調気配。「つなぐ4番」を意識して実戦に臨む。

 本領は、日本通算346本塁打を誇る豪快な1発だけじゃない。フリー打撃では左右広角に器用に打ち分け、細かい「つなぎ」を意識する“新カブレラ”がいた。

 44スイングして軽々とバックスクリーンへ運ぶなど4本の柵越えを見せたが、低く強い打球を右翼、中堅、左翼にバランス良く打ち返す姿が際だった。目標も入団会見の3割20本100打点をはるかに上回る仰天の数字をあげた。

 「今季は、つなぎの意識を大事にして本塁打より打点で貢献したい。とにかく打点にこだわる。的確に当てることを心がけ、結果として30本塁打、300打点を目指したい」。

 300打点という大げさな数字を掲げたのは、自信に満ちているから。宮崎キャンプでは腰の張りで別メニュー調整が続いた。秋山監督は「まだまだって感じだな」と話したが、腰痛は快方に向かい、本来の打撃が戻りつつある。

 04~07年に西武でも同じユニホームを着た立花打撃コーチは「キャンプでは口癖のように『バットは内から』と話し、打撃フォームを入念にビデオチェックしていた」と明かす。カブレラ加入による打線のつながり、得点力アップへの期待は大きい。

 06年に西武でパ・リーグ打点王(100打点)に輝いた実績を持つ。ホークスでタイトルを取れば05年の松中以来、右打者では97年の小久保以来の快挙だ。内川の加入で1番川崎からの上位陣には高い出塁率が期待できる。カブレラが主砲の役割に徹しきれば、自然とタイトルも近づく。

 層の厚いホークスではカブレラも絶対的な存在ではない。松中、オーティズもレギュラー奪回を狙う。守備にもこだわりがある大砲は、小久保と一塁争いを演じる。オープン戦から結果を出し、不動の4番としてだれからも認められる存在になるしかない。

 腰痛でキャンプ中は紅白戦や練習試合も出場していない。今日の広島戦が初実戦となる。キャンプ中に王球団会長と会食し貴重なアドバイスに触発された。「世界の本塁打王」の期待も胸に打点を重ね、勝利に貢献する。

 [2011年2月26日10時58分

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