広島ブライアン・バリントン投手(33)が、クライマックス・シリーズ(CS)2戦目の先発を回避する可能性が出てきた。8日にマツダスタジアムで行われた社会人のJFE西日本との練習試合に先発も、ボールの切れもなく、制球にも苦しんで4回8安打1失点。野村監督も、当初の予定を変更することがありうると話すなど、CSを前に不安を残した。

 明らかに、いつものバリントンではなかった。体が重く、スピードも球のキレもなかった。コントロールも甘い。社会人JFE西日本打線に、4回まで毎回の8安打を浴びた。2回は3安打され1死満塁のピンチ。遊ゴロ併殺で切り抜けたが、4回には1死二塁から適時三塁打され1点を失った。最速は142キロにとどまり、4回60球で降板。試合後は通訳を介して「何も話すことはない」と言い残しただけだった。

 山内投手コーチも「体のキレがなかったので腕が振れていなかった。ブルペンからよくなかった」と話した。野村監督は「本調子ではないなと思った。これから話し合っていきたい」としたが、阪神とのCS2戦目での先発が見込まれているだけに渋い表情。当初の登板予定を変更する可能性についても「それはありますね」と最悪のケースも想定していることを認めた。

 バリントンは、9月25日の中日戦で先発し11勝目を挙げた後、出場選手登録を抹消された。この日の登板は約2週間ぶりの実戦だった。

 だが、不調はそのブランクのせいだけはなかった。詳細は明かさなかったが、山内コーチは「体調不良もあったので」と説明。風邪や胃腸炎など体調面のトラブルがあったとみられる。同コーチは「本人も今日の内容で感じるところがあるはず。あと数日でしっかり調整しないといけない。ギリギリまで(状態を)見る」と、CS第2戦を委ねるかどうか、時間の許す限り見極めるつもりだ。

 指揮官は試合後、ミーティングで「テンションを上げていこう」などと選手に呼びかけた。球団初のCSへ向け、ムードも徐々に盛り上がってきた。そんな中での2桁カルテットの1人、バリントンの不調が不安を残した。【高垣誠】