<中日2-3巨人>◇5日◇ナゴヤドーム

 巨人が原監督の不在を乗り越えて、1点差を制し9連戦を勝ち越しスタートした。試合前に全員が集まり、原沢代表が状況を説明。川相昌弘ヘッドコーチ(49)が「原監督から『一丸で勝ってくれ』とメッセージを受け取った。一丸で勝とう」と束ねた。2点を追う展開も3、5回に打線がつながり逆転。菅野も「野手の方に助けていただいた。今日は、みんなで勝てた感じでした」と感謝した。

 中日でプレー経験のある川相ヘッドは送りバントも継投の指示も実に堅実だった。「苦しい気持ちの中、よく踏ん張ってくれた。中5日、精いっぱいだと思った」と、菅野を7回でお役御免とした。8回2死一、二塁。中日が代打小笠原を送ると、西村から左腕の山口にスイッチ。9回をマシソンに託した。「ナゴヤドームは守備から勝ちパターンに入る。みんなが集中して、しっかり頑張ってくれた」とたたえた。

 選手たちも、この試合の特別性をよく理解していた。首痛から復帰した坂本は「積極的に狙っていけた」と3安打1打点。7、9回にはファインプレーでもり立てた。阿部は「狙って三振を取った」。抑えのマシソンも「自分のおじいちゃんが、と考えたら非常につらい。メンタルの強さを見せた」と菅野を絶賛していた。

 ◆巨人の監督代行

 最近の巨人の監督は退場や出場停止になるケースが少なく、代行は珍しい。60年には水原監督がカメラマン暴行事件で謹慎したため、川上コーチが10月3、5日に指揮。81年7月1日阪神戦では藤田監督が3回に過労による脳貧血で目まいを起こし、王助監督が代行した。