強行指名もいきなり空振り。日本ハムは26日、山田正雄ゼネラルマネジャー(GM=68)らが、ドラフト1位指名した花巻東・大谷翔平投手(18)に指名あいさつのため同校を訪れた。25日の指名直後、同校の佐々木洋監督(37)は日本ハム側との接触について「本人も含めて対応する機会をつくらなきゃいけないと思う」と話していたが、本人は同席せず、対応したのは佐々木監督のみ。わずか18分で同校正門から出てきた山田GMは「(大谷と会うことは)今日は出来なかったです。会えなかったのはしょうがない。覚悟はしていました」と険しい表情で振り返った。

 佐々木監督には大谷がメジャーへ憧れた理由を尋ねた。「(同校先輩で西武の)菊池雄星君の影響が大きかったということだった。監督は『雄星以上になれ』と声をかけていたそうだが、本人は日本から世界へ目を向けていったようだ」(山田GM)。この日、大谷は授業を受けた後に練習を行ったが、指名あいさつの時間帯は姿を現さなかった。直接口説くことも出来ず、日本ハムにとっては厳しいスタートとなった。

 今後は大谷サイドと直接、入団交渉を進める。山田GMは「今後は、ここ(花巻東)ではなく、大谷君と交渉をと言われました」と説明した。「なるべく日にちを置かないで行きたい」と話すが、今日27日からは日本シリーズが始まる。日本一となればアジアシリーズも待っている。同GMも同行するため、次回交渉はチームの今季終了を待ってからが基本線。同GMは「こちらとしては諦めず、最後の最後まで頑張りたい」と話し、前を向いた。【木下大輔】