<WBC壮行試合:日本2-7中日>◇3日◇バンテリンドーム

どうする見極め。栗山ジャパンが実戦7試合目で初黒星を喫した。昨年11月の強化試合は大勝続きの4連勝。2月のソフトバンク戦も2連勝したが、“課題”が垣間見えていた。選手によって仕上がりの差が大きいことだ。

2月25日のソフトバンク戦では、先発した佐々木が最速162キロをたたき出し2回1安打無失点。一方で、第2先発候補の宮城は打ち込まれ、予定の2回を投げきれなかった。この日は3番手の松井が3四球で1回持たなかった。強化合宿で投球フォームの修正に取り組んだが、2月26日の前回登板同様、明らかにボールが高かった。WBC使用球に苦しんでいる。栗山監督は「ボールが違うのは投手にとって大変なこと。能力のある投手。今まで通りプレーしてくれると思う」と言った。

打線も湿っている。所属チームと比べ、実戦機会が限られる。強化合宿では、ほとんどの野手が居残りで振り込み、補おうとした。本来は開幕前。状態の差は仕方ない面もあるが、4番の村上がまだ本調子ではない。4回の右前打で2月のソフトバンク戦から3試合目にして初安打したが、他の3打席はタイミングがずれた内野ゴロだった。フリー打撃では打球がケージから出ない場面も見られる。

栗山監督は「あれだけのバッター。本番では自分の形で結果を出すと信じている」と、松井と同様の言葉を残した。現時点で村上を外すことは考えられないし、ここから上げてくると信じさせる存在だ。1打席で復調のきっかけをつかむことも十分ある。

とはいえ、WBC開幕まで1週間を切ったのも事実。実戦機会は残り3試合のみ。見極めのタイミングは徐々に迫る。【古川真弥】