侍ジャパンの大谷翔平投手(28)が“プレミアム・フリー打撃”を披露した。チーム合流2日目、「カーネクスト侍ジャパンシリーズ」中日戦の前に、ラーズ・ヌートバー外野手(25)とともに打撃練習を行った。日本でお披露目されたメジャー組の超貴重なフリー打撃で、大谷は27スイング中9本の柵越えを放ち、バンテリンドームの5階席まで飛び込む推定160メートルの超特大弾も連発。村上宗隆内野手(23)をはじめとする野手陣に加え、ダルビッシュ有投手(36)ら多くの選手が集結し、球場内が「ショータイム」と化した。

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こんなフリー打撃見たことない。目撃者の誰もがそう思ったかもしれない。大谷が打球を上げるたびに、「おぉ~」と歓声が上がる。それだけではない。落下地点にも、どよめきが起こる。1スイング、1スイングに周囲はとりこになった。衝撃的だったのは3セット目の3連発。まず中越えに本塁打を放つと、続く2発は滞空時間が長く、高い放物線を描いて右翼5階席まで飛び込んだ。推定飛距離160メートルの超特大弾を連発した大谷は2度、バンザイ。声援に応え、試合前の場内を一気に盛り上げた。

世界トップレベルの打撃が、日本を代表するスラッガーたちの視線をくぎ付けにした。シーズン本塁打数で日本選手最多の記録を持つ村上、本塁打王3度の山川ら徐々に選手たちが集まり、見物人の輪が拡大。投手のダルビッシュさえも足を運んだ。あまりの飛距離に選手もニヤニヤ。まるで、ゴルフのドライバーショットのように、高く遠くに飛ばす大谷の打撃に魅了された。こんなに飛ぶんだ…。見ていて楽しい、ホームラン競争のようなお祭りムードに包まれた。

大谷はメジャーのシーズンでは過去2年、ほぼ室内での打撃練習に徹してきた。1年目から飛距離はケタ違いで、米メディアから「人生を終える前に1度、見るべきだ」と称され、プレミアムな価値があるフリー打撃は、そう多くは見られない。しかも、この日のようにフォロースルーを大きく、飛ばしにいったようなフルスイングは超お宝だ。前日には「僕は(試合に)出られないですけど、楽しんでもらえるのが一番かなと思う」と話していた。プレーを期待し、足を運んでくれるファンを少しでも楽しませたい-。そんな思いがにじんだ。

試合では同じ岩手出身の後輩、佐々木の165キロ直球をベンチで目撃。自身が持つ日本選手最速タイの剛速球を見せられ、思わずほおをゆるめた。試合前はキャッチボールなどで投手調整を行い、投打二刀流の姿は、日本では17年10月4日のオリックス戦以来1977日ぶり。グラウンドに出てくる、ベンチに引き揚げる、それだけでも拍手と歓声が上がった。そして、締めはヌートバーとメジャー組2人で行ったフリー打撃の「ショータイム」。プレミアムで夢のような時間に、ファンも選手も、皆が酔いしれた。【斎藤庸裕】

▽近藤 進化しているなというのが率直な印象。やっぱり飛ばす能力はすごい。スターですし、なかなかプロ野球選手に影響に与える人は少ないと思うので、そういう意味ではチームが好循環になるんじゃないか。

▽伊藤 やばい。初速が違う。

▽万波 ぶったまげたっすね。もっともっと練習して、もっともっとトレーニングして、ご飯もいっぱい食べて、ああいった打球を打てるようになりたいなって思いました。

▽高橋宏 まだファン目線と言いますか、本物やという感じ。試合後、ナイスピッチングと声をかけられて、すごくうれしかった。あのバッティング練習は強烈でした。あんなの見たことないです。あの初速は。

【大谷のフリー打撃打球方向】

<1セット目>

右直

右直

右直

中越え本塁打

ファウル

ファウル

<2セット目>

ファウル

右越え本塁打

中越え本塁打

左翼フェンス直撃

中越え本塁打

<3セット目>

中越え本塁打

右越え本塁打(5階席)

右越え本塁打(5階席)

<4セット目>

中飛

ファウル

中飛

左飛

左飛

ファウル

中直

ファウル

ファウル

右越え本塁打

<5セット目>

左飛

左飛

右中間本塁打

◆バンテリンドームでの特大アーチ 97年パウエル(中日)は4月12日のヤクルト戦で、山本のフォークを捉えると、打球は左翼5階席へ。飛距離160メートルと認定される特大アーチになった。98年松井(巨人)はオールスターで高村(近鉄)から最上階席に飛び込む特大弾。球宴史上最長とされる160メートル弾となった。09年ブランコ(中日)は、5月7日広島戦で前田健の直球を捉えた打球が、左翼天井に設置されたスピーカーに直撃。推定160メートルで、97年に開場した同球場では初の認定本塁打となった。

◆他球場での特大アーチ 88年ブーマー(阪急)は、7月13日西武戦(西宮)で渡辺から左翼場外の道路まで飛ばす推定162メートルの特大弾。90年ブライアント(近鉄)は、6月6日日本ハム戦(東京ドーム)で角から中堅上のスピーカーに直撃する推定170メートル弾。日本初の認定本塁打となった。05年カブレラ(西武)は、6月3日DeNA戦(インボイス西武)で三浦から左中間天井の通気孔に直撃する1発。推定180メートルの特大弾になった。

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