3大会ぶり世界一を狙う侍ジャパンが韓国と対戦。「5番左翼」で先発した吉田正尚外野手(29)が逆転の一打を決めた。3点を先制された直後の3回裏、ラーズ・ヌートバー外野手(25)、近藤健介外野手(29)の適時打で1点差に迫り、1死満塁から2点適時打で試合をひっくり返した。3打数3安打5打点の大暴れ。熱い覚悟を宿した侍が、魂と魂がぶつかり合う日韓戦の主役となり連勝発進を導いた。

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過去の主な日韓戦

◆00年シドニー五輪 プロアマ混成チームで臨んだ日本に対し、韓国はオールプロ。予選リーグでは延長の末に6-7で敗れ、3位決定戦で再戦。松坂が7回まで無失点も、8回に李承■に決勝打を浴びて敗戦。日本は五輪で初めてメダルを逃した。

◆06年WBC 開幕前にイチローが「向こう30年、日本に勝てないなと思わせるような勝ち方をしたい」と発言。挑発されたと受け取った韓国側は李炳圭が「代表では1度も日本に負けていない」と話すなど過敏に反応。日本は1、2次リーグで連敗。2次リーグでは韓国選手がマウンドに国旗を立てて歓喜し、イチローは「僕の野球人生で最も屈辱的な日」。3度目対戦の準決勝では福留の代打2ランなどで6点を奪い快勝した。

◆08年北京五輪 1次リーグでは和田が7回、李大浩に同点2ランを浴び、9回に岩瀬が3失点で敗戦。準決勝でも終盤に藤川、岩瀬が4失点を喫し、G・G・佐藤の適時失策も絡んで2-6の敗戦。2試合とも逆転負けだった。

◆09年WBC 日本は大会9試合中5試合が韓国戦。第2ラウンドまでは2勝2敗。第2ラウンドで敗れた時は、また太極旗をマウンドに立てられた。5度目の対戦となった決勝では、延長10回にイチローが決勝打を放って大会2連覇。

◆15年プレミア12 1次ラウンドは大谷が6回10奪三振無失点の好投で快勝。準決勝も再び大谷が7回無失点に抑えたが、3点リードの9回に則本、松井、増井の救援陣が崩れて一挙4失点で逆転負け。

◆19年プレミア12 スーパーラウンドの対決を10-8で勝利すると、決勝戦での再戦も山田の逆転3ランなどで勝ち優勝。稲葉監督は感激の涙を流した。

◆21年東京五輪 準決勝で対戦。2-2の同点で迎えた8回裏、山田の満塁一掃二塁打で勝ち越し、96年アトランタ大会以来の五輪決勝に進出。

※■は火ヘンに華