「K-1 WGP 2015」(21日、東京・代々木第2体育館、日刊スポーツ新聞社後援)の65キロタイトル戦で、木村”フィリップ”ミノルの挑戦を受ける王者ゲーオ・フェアテックス改めゲーオ・ウィラサクレックが17日、東京・三ノ輪のウィラサクレック三ノ輪ジムで公開練習を行った。

 木村とのタイトルマッチまであと4日。これまで試合の2日前に来日することが多かったゲーオだったが、今回「タイは暑い国なので、涼しい日本の気候に慣れたかった。自分のコンディションを100%に仕上げたい」と公開練習当日の朝に来日した。

 3分2ラウンドの公開練習でも、来日直後とは思えない動きを見せた。蹴りのミットでは強烈な左ミドルとヒザ蹴りを連発し、パンチのミットでも重い左ストレート、右フックを次々とたたき込む。さらに公開練習を終えて、インタビューまでの合間の時間を使って腕立て伏せを続けるなど、防衛戦へ向けて気迫のこもった姿を見せた。

 そして、「100%の状態で日本にやってきて、これからもっと仕上げる。ベルトを防衛する自信がある」と語ったゲーオ。今回の試合に向けてしっかりと身体作りから始め、今日までハードな練習で自分を追い込んできた。

 「練習メニューは1日おきに変えている」と言い、走り込みでスタミナ強化にも着手。3つの山を上り下りする過酷な走り込みで、フルラウンド全力で戦うための持久力を身につけてきた。

 木村は、1月のスーパーファイトで不覚を取った因縁の相手。挑戦者が木村に決まり、「前回のリベンジが出来るので、率直にうれしい」というゲーオは「以前から言っているように、前回の試合は自分が負けたとは思っていない。今回それを証明できることをうれしく思う。ファンそして応援している人たちをがっかりさせない試合をお見せしたい」とリベンジに闘志を燃やす。

 今回の試合が決まる前から、木村の言動に対して感情的になっている一面ものぞかせた。この日も「彼のことを気に入らない点は、今も変わらない」と嫌悪感をあらわに。

 9月後楽園大会の一夜明け会見で、木村がゲーオの等身大パネルを使って挑発的なパフォーマンスを見せたことに触れ、「ひと言で言うとムカついた」と言い放った。「彼のパンチには注意したいと思うし、1試合1試合成長していると思うけれども、私の方が技術は上。とにかくすべてをリングの上で見せる。そして絶対に勝つ」と勝利への自信をのぞかせた。

 今回からゲーオは、日本と世界で活躍の場を広めるために、所属をFAIRTEXからウィラサクレック・フェアテックスジムに変更。リングネームもゲーオ・ウィラサクレックとし、よりK-1での戦いに集中することを明かした。

 「これからは自分の力でK-1を広めていきたいし、K-1の力になりたい」と語り「K-1を日本のものだけでなく、世界のものにしていきたい。以前のK-1にはブアカーオがいたけれど、自分も新しいK-1でブアカーオに代わる存在になりたい」とK-1王者としての責任と自負を感じている。

 「自分自身、まだ成長している部分もあるし、特別なことが見せられるかもしれない。21日の試合では100%のゲーオで、ファンのみなさんが喜んでくれる面白い試合をお見せしましょう」。21日は超本気のK-1王者ゲーオの姿が見られるに違いない。

 大会の問い合わせは、実行委員会=03・6450・5470、http:www.k-1wg.comへ。