プロレスラー大仁田厚(59)が9日、長年の夢だった米国での電流爆破を実現し、帰国した。

 大仁田は5日(日本時間6日)、米ニュージャージー州のフライヤースケートゾーンで行われた、CZW主催のワンス・イン・ザ・ライフタイム大会で電流爆破マッチを行った。5月に試合の発表をした際には、トランプ米大統領を試合に招待するプランを明かしていたが「そういえば、トランプ大統領に招待券を送るのを忘れてた」と言い、笑った。トランプ大統領は、4日から20日まで17日間も夏休みを取っていることが批判されているが、休暇中の滞在地は、大仁田が電流爆破マッチを行ったニュージャージー州のベッドミンスターで、試合が開催された5日は、大統領にとって夏休み2日目だった。

 大仁田は、マット・トレモントとシングルマッチで対戦。試合中に雷神矢口と保坂秀樹が乱入し、急きょCZWのリッキー・シェーン・ペイジとダニーハボックを交えての6人タッグマッチに変更になった中、大仁田が放った3発目の爆破バットが火を吹き、雷神矢口がCZW軍を有刺鉄線ボード上へのサンダーストラックで沈めた。

 会場には2150人の熱狂的なファンが殺到して満員となり、消防が一時、入場制限をかけて、試合開始が遅れるなど大盛況だった。大仁田は「米国のファンは、俺の歴史を認めて温かく迎えてくれた。とても感謝している」と感激した。

 大仁田は、10月31日に後楽園ホールで行われる「さよなら大仁田、さよなら電流爆破 大仁田厚ファイナルツアー」で、プロレス人生40年で7回目となる引退をする。16年8月に右尺骨、同11月に左かかと、同12月に腰椎、17年2月に再び右尺骨と、7カ月で4度も骨折。縫った全身の傷は1499針に達し、肉体は限界に近く「一生懸命やれるのはこれまでかな」と引退への決意に揺るぎがないことを明かしている。

 ただ、米国での電流爆破マッチの成功を受け「10月の引退までに、また米国へ行けたらと思っている」と米国への再渡航を熱望した。その上で「グレート・ニタのグッズを持っている米国のファンもいて驚いた。今度はニタの兄弟のカブキ・ニタが行くかもな」と口にした。28日には、自身の分身グレート・ニタが東京・新木場1st RINGで開催する「さよならグレート・ニタ新木場大会」で最後の姿を披露することも決まっており、カブキ・ニタが米国に上陸する可能性も示唆した。

 大仁田は「そうしたらトランプ大統領に、日本の伝統である歌舞伎とニタ融合を見に来てほしい。今度、米国へ行くチャンスがあれば、忘れずに招待状を送りたい。俺は諦めない」と言い、ニヤリと笑った。