1月28日、WWEはロウ、スマックダウンの両ブランド選手が参戦するPPV大会ロイヤルランブルを開催する。男子はスマックダウンを主戦場とする「ロックスター」中邑真輔(37)、女子もロウで活躍する無敗のアスカ(36)が、ぞれぞれロイヤルランブル(30選手による時間差バトルロイヤル)に出場する。ビンス・マクマホン会長(71)の娘で、ロウのコミッショナーのステファニー・マクマホン(41)がこのたび日本メディア向けインタビューに応じた下編は、25年を経過したWWEの選手レベル向上、各ブランドで活躍している日本人選手について語る。

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-ロウで、あなたは父ビンスの愛を受けた清純派の娘、ヒールレスラー、悪の夫婦という権力者など、さまざまなキャラクターになっていますが、もっとも気に入っているのは

 「オーソリティ(権力者)の一員としてのキャラクターでしょう。ファンとのやり取りはいつも楽しいです。彼ら、彼女たちを驚かせることにはスリルがあります。チャントが起きるのも楽しんでいます。われわれのファンは楽しみ方を知っていますし、ストーリーに合わせて楽しむことも知っています」

-WWEの選手レベルが年々上がっており、厳しい技も増えた。現在は過去最高と言えるのでは

 「ロウが始まった25年前から見ても、現在のレベルは最高だという意見に同意します。選手たちの身体能力やリング上でやれることに、私は驚かされています。その身体能力に特化したショーをやろう、という声も出たぐらいなのです。しかし、WWEのスーパースターに求められるのは、身体能力だけではありません。カリスマ性、マイクパフォーマンス、会場でのファンとのやり取りなど、観客を取り込む能力が必要とされます。それがWWEという世界のユニークなところなのです」

-レスリングにおいて、この25年で最も変化して部分は何だと思うか

 「コンテンツの面で言うと、どうストーリーを伝えるかに変革が起きたと思います。マルチのプラットホームで、ストーリーを伝える能力が求められるようになりました。またわれわれのパフォーマーたちの身体能力も格段、上がってますね」

-日本人の女子選手となるアスカは傘下のNXT時代からロウに昇格した後も無敗記録を続けています。さらに期待することは

 「今後も限界や常識を壊し続け、WWEの新たなスタンダードを作り、ハードルを上げ続けることです」

-現在、スマックダウンの中邑、ロウのアスカをはじめ、クルーザー級で活躍するヒデオ・イタミや戸沢陽、NXTに所属するカイリ・セインら日本人が活躍しています。WWEでの彼らをどうみている。

 「全員、素晴らしいと思います。特にシンスケのパフォーマンスは独特でカリスマ性があり、国境を越えて支持されています。それは最高のパフォーマーにはみな言えることですが、観客とつながる特別な能力があります。シンスケのストロング・スタイルをはじめ、すべての日本人スーパースターは独特のスタイルをWWEに持ち込んでいます。世界中から集結したパフォーマーがWWEでのトップを目指しており、私も誰がそこにたどりつけるのか楽しみにしています」

-ズバリ、中邑は28日のロイヤルランブル戦で優勝できるでしょうか

 「もちろんどんな可能性もあります。ぜひ楽しみにしていてください」

-米総合格闘技UFCの初代女子バンタム級王者ロンダ・ラウジーとWWEとの契約交渉が進んでいるという話が話題になっています。4月のレッスルマニア34大会(米ニューオーリンズ)で、あなたはロンダ・ラウジーと戦いたいですか

 「それを実現するには、まずは何よりロンダと契約しなければなりませんよね(笑)」(おわり)

 ◆ステファニー・マクマホン 1976年9月24日、米コネティカット州グリニッジ生まれ。ボストン大卒業後の99年、大富豪の父ビンスのご令嬢としてWWEに登場。無法者集団D-ジェネレーションXに誘拐され、昏睡(こんすい)状態のまま、同集団のトリプルHと無理やり結婚。その後、父を裏切って「悪の夫婦」として団体を支配。03年にトリプルHと正式結婚。プロレスラーとしてWWF女子王座も獲得。16年7月から父の指名を受け、ロウのコミッショナーに就任。娘3人の母でもある。身長175センチ。