ボクシングで日本最多17度防衛の女子世界2階級王者小関桃(35)が現役を引退した。所属の青木ジムが29日、JBC(日本ボクシングコミッション)へ引退届提出とWBCアトム級とミニフライ級の両王座を返上したと発表した。

 昨年は12月17日の1試合だけだったが、2年前から熱望していたWBCミニフライ級王者黒木優子(Yuko)に判定勝ちで2階級制覇を達成した。試合前から引退試合と決意し、「やりきった。次の人生に進みたい」とグローブを置くことにした。20日に専門学校の社会医学技術学院理学療法学科を受験し、24日に合格。今後は経験も生かして、リハビリなどのサポートをする理学療法士を目指していく。

 小関は中1でボクシングを始め、日女体大時代にアマで女子が認定されると全日本を3度制した。07年にプロへ転向し、08年にJBCが女子を公認するとWBCアトム級で国内初の世界戦に出場し、2回KOで王座に就いた。15年にはWBA同級王者宮尾(大橋)に判定勝ちし、日本初の女子統一王者になり、16年には連続防衛を17まで伸ばした。

 まだ競技人口が少なく、世界2位の防衛記録にマッチメークに苦労した日々だった。その中で王者としては9年5カ月18日在位した。有吉会長は「我慢強く同じ練習を続け、風邪で休んだ覚えもない。相手がいなくてモチベーション維持が難しい中、ここまで続けられたのは大したもの」とあらためで敬意を示した。公認後のプロ戦績は21勝(9KO)1分。