ボクシング元世界3階級制覇王者の亀田興毅氏(31)が、1試合限定で現役復帰するため、日本ボクシングコミッション(JBC)にライセンスを再申請することが12日、分かった。5月に引退当時のバンタム級(リミット53・5キロ)で、JBCルールで引退試合を開催する意向で、関係者によると因縁のある相手との対戦になりそうだ。会場は都内か地元大阪で調整中で、JBCの判断も含めて今後の行方が注目される。

 15年10月に海外での試合を最後に引退してから2年半。取材に応じた亀田氏は自らの復帰戦を具体的に語った。「JBCルールの下、ちゃんと引退試合をやります。何の問題もない。きれいさっぱり、普通にリングに立てますから。やっぱ日本人ですもん…日本のリングに立ちたいですよ」。

 13年12月に弟大毅の世界戦で混乱を招いたとしてJBCから処分を受け、国内で試合が出来なくなった。一時はJBCと関係悪化したが、昨年1月にはトレーナーのライセンスを申請、交付された。最近は弟和毅(協栄)のトレーナーを務めている。昨年5月にインターネットテレビ局のAbemaTVの企画でリングに上がったが、今回JBCにライセンスを再申請したのはプロとして戦うため。実現すれば、国内では13年7月以来となる「浪速の闘拳」のお披露目となる。

 対戦相手について、関係者は因縁のある選手を示唆した。06年のWBAライトフライ級王座決定戦で判定に物議を醸したランダエタ(ベネズエラ)らが候補に挙がるが、亀田氏は「想像にお任せします」とけむに巻きつつ「ボクシングをやってきて、怖いと思ったことは1回もないですけど…、多少の怖さがあります」と緊張感を隠さなかった。

 1試合限定での復帰理由について「ボクサー亀田興毅は、まだ死に切れていない。棺おけに足、半分くらい漬かってる状態だから、完全にふた閉めたらんと。この試合で完全にボクサー亀田興毅は終わらせます」と語った。一方で「新しいボクシングを作っていかないと」とも訴えた。元日には協栄ジム主催で、4回戦選手を軸にした「TFC東京ファイトクラブ」を開催。「自分が体を張って戦って、4回戦の子らが活躍出来る場を作って、次に続けていけるようにしないと」。新たな興行の形を定着させるためにも一肌脱ぐ。現在、体重は62キロで、バンタム級まで8・5キロの減量が必要。「一から体作りをやっている」状況だが、ここから一気に仕上げていく。