WBA&IBF世界ライトフライ級タイトル戦のジャッジが、王者田口陣営がクレームで変更された。20日の2団体王座防衛戦の調印式が19日に都内であったが、ジャッジ1人が挑戦者のブドラーと同じ南アフリカ人と発表された。残り2人は米国人でIBF世界ミニマム級と同じメンバー。これにプロモーターでもあるワタナベジムの渡辺会長が激高して、変更を要求した。

 ワタナベジムには数日前に、IBFからレフェリーと立会人を含むオフィシャルのリストが届いた。前回は2団体とも別メンバーから調整したため、ジムは「WBAと調整したのか」とメールで問い合わせた。返事は2日前で、今回はIBFに一任するというものだった。渡辺会長は「こちらにミスもあるが、公平ではない。選手がかわいそう」とジャッジ交代を訴えた。田口も「気になる。納得がいかない。できれば日本も入れずに中立でやってほしい」と話していた。

 世界戦のジャッジは中立国が多いが、そうでなければいけないルールはない。IBFはこだわりが少なく、日本人の世界戦で日本人ジャッジ起用も多い。WBA立会人でもある日本ボクシングコミッション安河内事務局長は「不公平ではないが、好ましくない印象を与える」と、IBF立会人のケイルティー氏と協議した。

 その結果、ミニマム級戦の米国人レフェリーが南アフリカ人に代わってジャッジを務めるか、残り2人のジャッジのうち1人を日本人に交代させるる案が提案された。当日までに調整することになった。

 調印式は正午からだったが、夜遅くになって結局はジャッジが変更された。メキシコ人ジャッジを日本の中村氏に交代させ、両選手出身国から各1人と米国人1人による構成になった。ジムの最終確認が曖昧だったためにすったもんだした。要望は通ったものの、決戦前にみそを付けてしまった。