引き分けで統一王者は誕生しなかったが、異例の両者とも初防衛成功となった。

埼玉・花咲徳栄高出身の正規王者新藤寛之(32=宮田)と、1学年上だった暫定王者渡部あきのり(33=角海老宝石)の対戦。新藤が足を使いながら的確にパンチを当て、渡部は前に出てボディーを効かせた。試合は判定に持ち込まれ、三者三様の引き分けに終わった。

新藤は5月に2階級制覇を達成したが右拳を痛め、暫定王座が設定された。渡部が暫定王座についたことで実現した先輩と後輩の対決は決着がつかなかった。新藤は「正直いっぱいいっぱいで頑張った。すっきりはしないがしょうがない。いいのも入ったが。決まればまたやるだけ」。高校時代は実力の違いで「すごい先輩」から勝ちを逃して残念がった。

渡部は右目上をカットに周囲を大きく腫らした。「不思議な感じ。勝ちたかったが、人生そんなうまくいかない。最後までファイトしたがやりづらかった」と、こちらも肩を落としていた。