注目の東西MVP対決となったフェザー級で、西軍の竹本雄利(22=クラトキ)が3-0の判定で東軍の峯田光(22=帝拳)を下し、最優秀賞もゲットした。1回に計3度のダウンを奪い、2回以降に追い上げてきた峯田を何とか振り切った。50年以上続く所属ジムで初めて全日本新人王に輝いた。

「強かったですよ。負けるかと思って攻めた」。1回にダウンを奪い続け、自らもKO勝利を狙っていたものの、峯田の強烈な追い上げに苦しめられた。右ストレートを何度も浴び、左目周辺は青く腫れていた。「2回目のダウンを奪った時、終わりだと思いましたが、(峯田が)立ち上がってきて気迫を感じました。後半に盛り返されるのではないかと」。周囲から東西MVP対決のムードが高まり「意識していなかったが、プレッシャーはありましたね」と緊張感ある新人王の頂上対決を制し、ほっとした表情を浮かべた。

高校卒業までサッカー部に在籍。アマチュアボクサーだった父雄一さんの影響で、中学進学時にボクシングジムへ通おうとしたものの、父から「サッカーが中途半端だったらボクシングは続かない」との指摘を受け、サッカーを優先。18歳でボクシングを始めた。名前の雄利(ゆうり)は、父が好きな元WBC世界フライ級王者勇利アルバチャコフ(協栄)が由来。竹本は「父から強いから見てみろと言われていた」とボクシングを始めてから雄利の動画もチェックしたという。

ジム初の全日本新人王誕生に、原田哲也会長(73)は「竹本には大阪や神戸に出げいこに行かせて鍛えてきた。とにかくスタミナがあるから」と満足顔。既に3月に神戸、6月には地元和歌山で試合が計画されているという。これで日本ランキング入りする竹本は「上を目指していきたい。来年は日本王者を目指します」と目を輝かせていた。