かつて「メイウェザー2世」と呼ばれたボクシング元4階級制覇王者エイドリアン・ブローナー(29=米国)は、戦前予想を覆すことができるか-。

19日(日本時間20日)、米ラスベガスのMGMグランド・アリーナで6階級制覇王者となるWBA世界ウエルター級王者マニー・パッキャオ(40=フィリピン)に挑む同級6位ブローナーは「なぜオレのことをみんな尊敬しないのか」と大きな不満を口にした。勝敗オッズも初防衛戦のパッキャオ支持に集まっていることが気にくわない様子。「ザ・プロブレム(問題児)」の異名通り、ブローナー節も健在で、16日の試合前会見では質問にも答えず、放送禁止用語を連発して困らせた。

確かにトラブルは多い。過去2度も体重超過による王座剥奪。私生活では奇行だけにとどまらず、飲酒&無免許運転や暴行など逮捕歴も少なくない。リング内外での素行の悪さが影響したのか、無敗を誇った兄貴分のメイウェザーに比べて黒星は喫しているものの、29歳で33勝(24KO)3敗、KO率63パーセントは堂々たる戦績。出入りの素早い踏み込みのコンビネーションを武器とするパッキャオに対し、持ち前のハンドスピードと鉄壁のディフェンスを駆使すれば十分に勝機はある。

同カードの話題は約2年3カ月ぶりの米本土での試合を控えるパッキャオに集中している。ブローナー戦勝利後は、現役復帰をほのめかしている元5階級制覇王者フロイド・メイウェザーとの再戦の可能性が有力視されていることも大きい。そんな周囲の注目を「問題児」らしく破壊する実力をブローナーは持っている。「キャンプは成功、うまく調整できた。この試合に勝てば、みんながオレをリスペクトすることになるだろう」と不敵な笑み。下馬評を覆るために怒りのエネルギーを充電している。

なおパッキャオ-ブローナー戦はWOWOWプライムで1月20日正午から生中継される。