K-1ライト級で、林健太(24=K-1ジム相模大野KREST)が卜部功也(28)との同門対決を延長3-0の判定で制し、新チャンピオンとなった。

林は1回、卜部功の左ミドルキックで突進を止められたが、2回に入ると構わず前へ出てペースをつかんだ。ワンツーのパンチを軸に果敢な攻撃を見せ、”アンタッチャブル”の異名を持つ卜部功のテクニックと互角に渡り合った。3回には右フックで卜部功をあわやダウンという状況に追い込み、延長に入ると最後まで前へ出るアグレッシブさを見せた。

かつては「功也君は立ち技の選手の中で1番強いと思っていた」という林。対戦が決まり、「功也君か、行けるかな」と思ったという。しかし、「練習して迷いもなくなった」と、この日は自信を持って臨んだ。そして、「自分の持ち味はプレスをかけて相手の距離をつぶすこと」という戦法を貫き、勝利をたぐり寄せた。

そんな林だが、勝者として名を告げられた時は、リング上で男泣き。「毎日、練習や減量、タイトルマッチのプレッシャーでいろいろ考えることがあって、子どもたちにめちゃくちゃ塩対応になった」とベルト奪取を喜びながらも、まずは家族のことを気遣った。そして「ファイトマネーも入るから行きたいところ全部行こう」と子どもたちに呼びかけた。

昨年12月8日のK-1ライト級世界最強決定トーナメントで優勝し、今回の挑戦権をつかんだ。それからわずか3カ月で頂点まで駆け上がった。「強かった。流れに持ち込まれた」と卜部功も認めるシンデレラボーイ。新元号で迎える6月大会以降、K-1の新たな顔になりそうだ。