プロレス、キックボクシング、総合格闘技、舞台女優の“四刀流”美女がセンダイガールズプロレスリング(仙女)を彩っている。朱里(30)は仙女所属ではないが幅広く活動。里村明衣子(40)のタッグパートナーを務め、多彩なキックを武器に輝きを放つ。

朱里・里村組は、昨年11月に東京・後楽園ホールで行われたロイヤルタッグトーナメントに出場した。直前の大会で勝利を収めた里村はリング上で「今までタッグパートナーがいなかったけど、朱里選手を待ってました」と絶大な信頼を示し、朱里も「選手として尊敬する思い入れのある方。過去にもタッグを組んだが、トーナメントは初なので、うれしい」と応じた。しかし、結果は準決勝敗退で女王の座は逃した。

空手少女の朱里は女優に憧れ、高校卒業後はその道を目指していたが、知人から偶然勧められたプロレス団体ハッスルのオーディションに参加。プロレスを見たことは1度もなかったが合格し、08年に19歳でデビューした。10年には新団体SMASHのリングに立ち、その旗揚げ戦で里村と初対戦したが敗北。「オーラやたたずまいがすごくて、ほかの人には出せない雰囲気がある。立っているだけでかっこいい、素晴らしい選手」と当時から憧れる。

キックボクシングや総合格闘技にも挑戦し、17年には世界最強の格闘家を決める舞台、米UFCに参戦。日本人女子初勝利を挙げた。UFCと契約する直前まで仙女で活躍し、昨年9月に“古巣”に帰還した。「里村さんがいる団体だからこそ上がれてうれしい。仙女のタッグベルトを獲得し、いずれは里村さんとシングルマッチでバチバチやって倒したいという思いもある」。緋色(ひいろ)の美女が静かに闘志を燃やしている。【山田愛斗】

◆朱里(本名は近藤朱里=こんどう・しゅり)1989年(平元)2月8日、神奈川県生まれ。小学校で空手を始め初段。08年「ハッスル」でプロレスデビューし、12年「Krush」でキックボクシングに初挑戦した。16年にパンクラスで総合格闘技を経験し、17年に米UFCに参戦。19年9月に仙女に復帰した。