ユーチューバーとしても活躍する朝倉未来(28)が前DEEPフェザー級王者の“サラリーマンファイター”弥益ドミネーター聡志(30)に勝利した。

1回終了間際だった。互いに様子をうかがう展開から、朝倉の左ストレートがさく裂すると、間を入れて左のハイキック。弥益はふらつきながら倒れた。

試合後のインタビューでは「前回は格闘技ファンの、自分のファンの期待を裏切ってしまってすみませんでした。来年から格闘技にもっと真剣に向き合いたい」と話した。

11月21日のRIZIN25フェザー級タイトルマッチで斎藤に敗れ、8戦目にして初の黒星。「相手が強かった。日本にこんな強い選手いるんだ」と素直に認めた。「勝たなければいけない」というプレッシャーから解放された今大会。守りに入っていたことを反省し、1カ月間、自分からの入りに重点を置いた。「自分の狂気的な部分を押さえるのが持ち味だと思っていた。冷静さと自分の中にある激しいものを混ぜたら強いのではと。1回からすべてを出し切る」と序盤から攻め続けて倒しにいくなど、本来の姿を取り戻した。

格闘家になる前は路上でけんかをしていた。弟の海ともスパーリングで実力を確かめた。敵無しでジムに入会したが、自分より強い相手がいることに闘争心をかき立てられた。久しぶりの負けで初心に帰った。「とにかくKOに飢えている」と話し、弥益に対しても「鼻とか顔とか折れるかもしれないので気を付けた方がいい」と自信を見せつけていた。

今後は斎藤とのリベンジも望む。挑戦者としての立場もわきまえた上で「タイトルとかはどうでもいい。ただ倒したい」。現在ユーチューブの登録者数は164万人。「視聴率を取るために出場を決めた」と格闘技界の発展にも努力を惜しまない。「30歳までには(格闘技を)辞めたい。やりたいこともある」と話す未来だが、試合ごとに成長を重ねる28歳は、あと2年でどこまで強くなるのか。伸びしろは無限大だ。

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