コロナ禍で感染者が拡大する中、東京ドーム大会が無事に終了した。

昨年は、2日間で計7万人の集客があったが、今年は入場制限があり、約2万人となった。

コロナ禍後、昨年7月から有観客での興行を始めた。以降、現在まで約70大会を行っても、いまだ会場での感染者は出ていない。選手、スタッフには厳しいガイドラインを作成。さまざまな検査と、会食、外出のルールを徹底したことが今大会の開催につながった。

チケット収入が減る中、大張高己社長(46)は、コロナ禍の経験をもとに昨年と同じ2日間開催を決断した。社長就任前は経営企画本部長だった大張氏は、この時期をプラスに捉え、さまざまな事業に着手した。アプリや通販など、チケットや物販以外のコンテンツ収入も増え、興行以外での事業が軌道に乗った。

大張氏 ここ10年で、いろんな人がやれたらいいのにと思ってきたようなことが、コロナによる環境変化を理由に実現できた。金曜8時の生放送、海外配信、キャッシュレスなど。非興行領域では、年商数億円単位で伸ばせていると思う。

来場するファンを大事にしつつ、それ以外のファン獲得やコンテンツ収入増を狙い、さらに海外での事業にもつなげる。もちろん、選手のパフォーマンスがあってのこと。「お客さまが見たくなる状態になったというのが1番。我々が選手を大事にし、選手が戦ってくれるからこそ事業が続いていく」。現場に近い大張氏ならではの決断、実行の早さと正確さが実を結び、選手、社員全員で逆境を耐え抜き、東京ドーム大会を実現させた。【松熊洋介】

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