ボクシングWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(28=大橋)が9日、2戦連続で「聖地」米ラスベガスで19日(日本時間20日)に臨む防衛戦(WBA5度目、IBF3度目)に向けて渡米した。父真吾トレーナー、弟の元WBC世界同級王者拓真、元日本スーパーライト級王者のいとこ浩樹氏らとホワイトの特製ジャージーを着用して出発。「自信しかないです。100(%)」と手応えを口にした。

挑戦者のIBF同級1位マイケル・ダスマリナス(28=フィリピン)を想定した国内調整は8日夜に横浜市内の所属ジムで打ち上げた。相手の最大限の動きをイメージして調整する井上らしく「でも、不安がゼロといったらウソになるかな? いまはまだ、パンチが相手に当たらないという想定なので。相手が長身のサウスポーなので、いまは距離がつかめていないというイメージでいます。あとはリング上で向かい合って、いつも通りの感じ方になると思います」と自然体を貫いた。

試合10日前での渡米となる。井上は「あと10日…徐々にという感じですね。アメリカに行ってリラックスして残りの体重調整をするつもりです。もう半分以上は落としているので問題はありません。(減量は)あと4キロぐらいです」と強調した。自身初のラスベガス進出となった昨年10月のジェーソン・モロニー(オーストラリア)との防衛戦は7回KO勝利。日本人初となる2戦連続の「聖地」防衛戦のテーマとして「判定はないだろうと。グダグダ判定まで行っているようだと、そのあとの統一戦に向けてまったくアピールできないので。まずは、勝ちを手にすることが大前提ですが、そのなかで見せるところは見せると」。次戦以降に控える他団体王者との王座統一戦を見据え、確実にダスマリナスをKO撃破することを自ら課していた。

★ダスマリナスとは 19年3月、デメリショ(フィリピン)とのIBF世界バンタム級挑戦者決定戦で判定勝ちし、IBF1位を2年近くキープする。同年10月が最新試合で、井上への挑戦が約1年8カ月ぶりのリングだ。身長170センチの左ボクサーファイターで、左拳を軸としたストレート、アッパーが武器となる。タイトルはWBCユース・スーパーフライ級王座を獲得。かつて元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏をはじめ、19年10月には井上の弟で元WBC世界同級王者拓真の練習パートナーとして来日経験がある。

◆テレビ放送 井上尚弥-ダスマリナスのWBA、IBF世界バンタム級タイトルマッチ12回戦は20日午前10時30分よりWOWOWプライムで生中継