18日から始まる新日本プロレスG1クライマックス31で、AブロックのIWGP世界ヘビー級王者鷹木信悟(38)は、飯伏幸太、内藤哲也の「昭和57年会」2人との争いを制し、武藤敬司、佐々木健介以来3人目となる、ヘビー級王者での制覇を狙う。

同学年のライバルには負けたくない。7月東京ドーム大会の初防衛戦で対決するはずだった飯伏は、今月4日の棚橋戦で誤嚥(ごえん)性肺炎から2カ月ぶりに復帰。G1連覇中だけに警戒しながらも「3連覇させるわけにはいかないし、立場が違う」と王者の貫禄を見せつけるつもりだ。18年に新日本に誘ってくれた同ユニットの内藤には「2年前にG1で負けているので、五分にするにはリベンジしないといけない」と意気込んだ。

Aブロックを制し、決勝で対戦したい選手を聞かれると、SANADAの名を挙げた。「棚橋、オカダもいるが、眠れる獅子みたいで面白い」と語る。Bブロックには5日メットライフドーム大会で勝利したEVILもいるが「アウトオブ眼中だよ」と全く相手にしていない。

いずれは世界での戦いも見据える。ベルトの価値を高めるためにも負けられない。5月に首のけがでIWGP世界ヘビー級のベルトを返上したオスプレイが、8月の米国大会に突如現れ、複製と思われるベルトを掲げた。今大会は不参加だが鷹木は「鷹木のベルトが本物だと言わせるにはG1で優勝するしかない」と、王者に君臨し続け、いずれはオスプレイとの対戦も視野に入れる。

好調が続いていた8月に新型コロナウイルスに感染。復帰戦となった今月5日のメットライフドーム大会では、EVILを破り2度目の防衛に成功したが「本当の意味で大復活するには優勝しないといけない。身体作り、心作りをしていく」。決勝は10月21日、日本武道館。約1か月の戦いを制し、完全復活を証明する。【松熊洋介】

◆G1クライマックス 91年から始まった、新日本のヘビー級選手によるシングルのリーグ戦。これまでは夏に開催されていたが、新型コロナウイルスの影響で、昨年と今年は秋開催となった。20選手がA、B2つのブロックに分かれ、総当たりのリーグ戦を行い、1位同士が10月21日(日本武道館)で決勝を戦う。