開幕戦は、史上初の3連覇を狙う飯伏幸太(39)が開幕戦で高橋裕二郎(40)に敗れる波乱となった。飯伏は今月4日に誤嚥(ごえん)性肺炎から2カ月ぶりに涙の復帰を果たしたが、まさかの伏兵に黒星を喫した。肩を落としてバックステージに引き揚げ、うめき声を上げながら両膝を突いた。「次から、次から」と声を絞り出すのがやっとだった。

2カ月のブランクは予想以上に大きかった。いつもの鋭い動きは影を潜め、カミゴェもかわされた。最後は高橋のピンプジュースを回避するも、新技のビッグジュースを食らい、わずか11分でリングに沈んだ。

高橋のユニット「バレットクラブ」は、普段から仲間がセコンドに付き、悪質な邪魔をすることがほとんどだが、この日は1対1の戦いで完敗を喫した。以前パートナーを組んでいたこともあり「全部分かっているつもりだった。ただ今回はちょっと違う」と予想外の強さに驚きを隠せなかった。次戦は23日、強敵石井智宏とぶつかる。「ちなみに僕は僕自身は万全です。万全だけど…。ここから負けない」と力ない言葉で締めた。「準備はできた。あとはやるだけ」と再起を誓ったG1初戦でいきなりつまずいたが、まだ初戦。復活のチャンスは十分残されている。