RIZIN LANDMARK大会が2日行われ、朝倉未来(29=トライフォース赤坂)が萩原京平(25=SMOKER GYM)に寝技での強さを見せつけ、3-0判定で完勝した。6月のクレベル戦ではプロ初の一本負け。引退を示唆するなど弱気な発言もあったが、これまでにない練習量で見事に復活した。

「命をかけた」試合で朝倉が結果を残した。各回とも勢いよく襲いかかり、テイクダウンを取りにいった。その後は萩原を押さえ込み、15分間、ほぼ何もさせず、ダメージを与え続けた。「再起戦で、相当なプレッシャーもあったが、勝つことができて良かった」とホッとした表情で語った。

昨年11月フェザー級王座決定戦で斎藤裕に敗れ、意識が少しずつ変わった。「今までランニングもウエートもせずにここまで来た」と話していたが、今春からトレーナーを5人に増やし、元K-1王者の魔裟斗氏らを指導した土居氏のもと「憂鬱(ゆううつ)な感じだった」と話すほど、厳しいトレーニングに励んだ。

6月のクレベル戦に敗れ「引退も含めて考える」と口にすることもあったが、現役続行を決意。これまで避けてきた「キツイ展開」に向かう精神力を身につけ、覚悟を持って挑んだ。

勝利後にはこの日解説を務めた斎藤に「やり返すためにきつい練習をしてきた。大みそか、よろしくお願いします」と語った。斎藤は「機運が高まれば僕もうれしい。お願いします。(試合のある)24日にしっかり勝ってから考えたい」と前向きな姿勢を見せた。どん底からはい上がり「パワーがついてきた」と実感する強い朝倉未来が帰ってきた。【松熊洋介】