フェザー級の渡辺海(19=ライオンズ)が、衝撃の10秒殺で東日本同級新人王と最優秀選手賞を獲得した。同級決勝で拳を交えた吉田諒(30=ワールドスポーツ)にカウンターの右フックを浴びせてダウンを奪取。日本記録となる8秒に次ぐ2位の1回10秒、TKO勝ちを収めた。22年2月6日に東京・後楽園ホールで開催される全日本新人王決勝戦への進出を決めた。

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ワンパンチ決着だった。渡辺がカウンターの右フックをねじ込んだ。昨年も決勝まで進出した吉田をロープ際まで吹っ飛ばし、開始10秒でのTKO撃破。「びっくりした。油断していなかったが、10秒で倒せたなんて」と目を丸くした。日本歴代2位の10秒KO勝ちでMVPも獲得した。

世界4階級制覇王者井岡一翔(志成)にあこがれ、A級プロボクサーだった父利矢トレーナー(54)の手ほどきを受け、小学3年から競技を開始。会場に集結した210人の大応援団から拍手を受け「プロならお客さんを盛り上げる試合をしたい」と決意も新た。22年2月の全日本新人王決勝戦に向け「全日本も同じ秒数、もっと早く倒せたら」と意気込んでいた。

〇…敢闘賞を受賞したスーパーライト級新人王の関根が、全日本新人王決勝戦でのMVP獲得を誓った。鳴海から右フックでダウンを奪った後の連打で1回1分44秒、TKO勝ち。だがフェザー級の渡辺にMVPを奪われ、「MVPが欲しかった。次も倒して今度は取りたい」と意欲満々だった。