18年王道トーナメント覇者の宮原健斗(33)が、極悪集団「ブードゥー・マーダーズ(VM)」総帥のTARUを退け、2回戦に駒を進めるとともに、VM復帰騒動に完全決着をつけた。

メインイベントとなったトーナメント1回戦。試合は序盤から執拗(しつよう)な左腕攻めに苦しんだ。場外戦ではTARUにタオルによる首絞め攻撃を受けるなど、子供ファンが号泣するほどのやられようだった。だが、「負けてたまるか」と発奮。パイプ椅子攻撃、パウダー攻撃と姑息(こそく)な技を次々と繰り出す相手に、スタンディング式ブラックアウトを突き刺すと、最後は12分9秒、必殺のシャットダウンスープレックスホールドで逆転のピンフォール勝ちを収めた。

VM復帰騒動にも完全決着をつけた。2日の会見でTARUから「この俺に負けたら、正々堂々とVMに戻って来いよ」と、13年に8カ月間所属していた“古巣”への勧誘を受けた。この日の試合後、VMの諏訪魔から握手を求められたが、フロントハイキックで一蹴し、拒否。「入るかばか!」と叫んだ。1度はちゅうちょする様子を見せた宮原だったが、加入する気はゼロだったようで、バックステージでは「ファンのみんなには『入るかもしれない』という空気があったから…。今日までもたすのが大変だった」と、苦笑していた。

「最高男」の視界には、4年ぶりのトーナメント制覇しかない。「王道トーナメント、俺以外いないだろ。俺がやらなきゃダメだろ」と、自身に活を入れた宮原。団体創設50周年イヤーの顔になるべく、16選手が参加した過酷なトーナメントを突き進む。