元プロレスラーで参院議員も務めたアントニオ猪木さんが1日午前7時40分、都内の自宅で心不全のため死去した。79歳だった。

猪木さんの弟子にあたる元プロレスラーで、格闘家としても活躍したバルセロナオリンピック(五輪)柔道男子95キロ超級銀メダリストの小川直也氏(54)が同日夜、猪木さんの自宅に弔問に訪れた。「いつかはこの日が来るかなとは思っていたが、なかなか現実を受け入れられないのが正直なところ」と肩を落とした。故人と対面した後も、「肌つやが良く、正直なぜ? という気持ちがまだある」と戸惑いを隠せなかった。

約1時間、猪木さんと時間を過ごした。追悼番組が映るテレビを見ながら、当時の思い出を語りかけたという。

最後に会ったのは7月11日、都内のホテルに呼ばれた。そのとき猪木さんに、「まだ体調が悪いから食べられないけれど、次に会うときはステーキを食おうね」と誘われたという。

その後、関係者から猪木さんの食欲が回復していることを伝えられ、「猪木さんを呼ばなきゃと思っていた矢先だった」と残念がった。

97年にプロ格闘家に転向。その後、ことあるごとに師から教えを授かり続けた。「猪木の常識は世間の非常識。その言葉通りの教育を受けてきた。本当にありがたい」と感謝した。