プロボクシングWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(29=大橋)が13日、東京・有明アリーナでWBO世界同級王者のポール・バトラー(34=英国)と日本人初となる4団体王座統一戦に臨む。

36戦34勝(15KO)2敗の戦績を持つWBO王者バトラーはどんなボクサーなのか。

2010年12月にプロデビューして連戦連勝で、1階級下のスーパーフライ級で英国王座、英連邦王座を獲得。14年6月にIBF世界バンタム級王者スチュアート・ホールに判定勝ちを収めて、16戦不敗で世界の頂点に立った。

その直後に王座を返上して再びスーパーフライ級に落として、2階級制覇を目指したが、15年3月にIBF世界スーパーフライ級王者ゾラニ・テテに、キャリア初のダウンを奪われて8回TKO負けを喫した。

18年5月には後に井上尚弥が2回KOした当時不敗のエマニュエル・ロドリゲスとのIBF世界バンタム級王座決定戦に臨んだが、バトラーは計量に失敗して失格。ロドリゲスが勝った場合のみ王者になるという条件で試合に臨み、判定負けを喫した。敗戦はこの2試合のみ。

今年4月にWBO世界バンタム級暫定王座決定戦で同級4位ジョナス・スルタンに3-0の判定勝ちを収め、その後、正規王者ジョンリル・カシメロの王座剥奪により、正規王者に昇格した。

スタイルは身長168センチの右のボクサーファイターで、利き腕の左から繰り出されるリードパンチ、左フック、左ボディーブローを得意としている。接近戦での高いガードとフットワークを使った防御も堅い。

試合展開について井上は「少しずつ少しずつ自分のボクシングで弱らせて、仕留めるイメージ」と慎重な戦いを想定しているが、スピード、パンチ力、技術を含めて総合力では井上が上回っている。