プロボクシングWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(29=大橋)が13日、東京・有明アリーナでWBO世界同級王者のポール・バトラー(34=英国)と日本人初となる4団体王座統一戦に臨む。

井上が4団体統一に成功すれば、史上9人目の偉業になる。過去8人はいずれもボクシング史に名を刻む猛者ばかり。特に04年に史上初めて4団体統一に成功した世界ミドル級王者バーナード・ホプキンス(米国)は、『死刑執行人(TEE EXECUTIONER)』の異名を取った怪物王者だった。

95年4月に最初のIBF王座を獲得した後、01年にWBA、WBC王座も吸収。そして04年9月、史上初の6階級制覇を達成したあのWBO王者オスカー・デラホーヤ(米国)に9回KO勝ちして4団体を統一した。この時、ホプキンス39歳。1つ目の王座獲得から実に9年以上の歳月が流れていた。

ちなみに、井上は18年5月にWBA王者マクドネルを1回TKOで撃破して1つ目のバンタム級王座を奪取しており、4団体王座統一戦に成功すれば、4年7カ月とホプキンスの半分の期間で達成することになる。

ホプキンスの怪物王者ぶりは、この後のキャリアでも続く。11年5月に46歳4カ月でWBC世界ライトヘビー級王座を獲得。あの元世界ヘビー級王者ジョージ・フォアマン(米国)の45歳9カ月の最年長世界王座獲得記録を塗り替えた。

さらに14年4月には49歳3カ月でWBA世界ライトヘビー級スーパー王座も獲得して、自身の持つ最年長記録を更新した。

井上が4団体王座統一に成功すれば、ホプキンスら世界のボクシング史に残る名ボクサーたちと、実績でも肩を並べることになる。

<過去の4団体統一王者(男子のみ)>

<1>バーナード・ホプキンス(米国=ミドル級)

<2>ジャーメイン・テイラー(米国=ミドル級)

<3>テレンス・クロフォード(米国=スーパーライト級)

<4>オレクサンドル・ウシク(ウクライナ=クルーザー級)

<5>ジョシュ・テイラー(英国=スーパーライト級)

<6>サウル・アルバレス(メキシコ=スーパーミドル級)

<7>ジャーメル・チャーロ(米国=スーパーウエルター級)

<8>デビン・ヘイニー(米国=ライト級)