プロボクシングの元WBA世界ミドル級スーパー王者、12年ロンドン五輪同級金メダリストで3月に現役を引退した村田諒太氏(37)が10日、「にいがたスーパージュニア育成事業」(新潟市スポーツ協会主催)のボクシング教室にゲスト出演した。県内の小学生から社会人まで約160人の練習を見て、指導した。

村田氏はシャドーやマスボクシングをする選手の動きに視線を向け、近寄って声をかけた。「新潟の子たちは礼儀もしっかりしていて教育をベースに取り組んでいるのが分かります」。

サプライズで、8月の全国高校総体で優勝を狙うウエルター級川村萌斗(開志学園3年)と3月の全日本UJフレッシュ大会男子60キロ級優勝者の板垣黎洸(れいら、五泉北中3年)を相手に1分間ずつ、マスボクシングを披露。鋭いパンチを繰り出し、会場を張り詰めた空気にした。川村は「ストレートが風を切ってくるようだった」と言い、板垣も「1発入れたかったがガードが崩れない」と迫力を肌で感じていた。

同事業に参加するのは16年に続き2回目。アマ時代から親交がある新潟・開志学園の仁多見史隆監督(48)の誘いで訪れた。「また新潟に来たいです」と笑顔の村田氏は、選手に「強くなるのに裏道はない。目の前のことを一生懸命やって積み重ねてください」とメッセージを送った。【斎藤慎一郎】