日本バンタム級1位の増田陸(26=帝拳)が、カウンターの右フック1発で日本同級王座を奪取した。4回、王者の富施郁哉(26=ワタナベ)が攻勢に転じた瞬間、下がりながら右フックを顔面にたたきつけて、2分21秒、KO勝利を収めた。
同じサウスポーの富施とは昨年5月に対戦して、増田が7回TKO勝利を収めていた。今回は4月の王座決定戦で王者になった富施の初防衛戦で、1年2カ月ぶりの再戦だった。
高いガードとボディーワークを駆使して、定評のある挑戦者の左強打を警戒する王者に対して、増田は練習から右フックを磨いてきたという。「今回ずっと練習してきた右で倒せたのはうれしい。手応えもありました」と、本人も満足そうだった。
昨年8月にプロ4戦目で日本バンタム級王者の堤聖也(角海老宝石)に挑戦したが判定負けを喫した。その悔しいプロ初黒星を糧に、よりボクシングに集中する生活を意識するようになった。「もともと性格がのんびり屋でマイペース。そこをビシビシとしめるようになった」。
これで戦績は5勝(5KO)1敗。今年2月の再起戦でWBO世界同級6位(当時)のジョナス・スルタン(フィリピン)に1回KO勝ちして、すでにWBA11位など3団体で世界ランク入りしているが「(世界挑戦は)まだ早い。来年になる」(本田明彦会長)。帝拳ジムには同じくバンタム級で世界を狙っている那須川天心もいる。「階級も近くて注目されているので刺激になる」と増田。世界挑戦は「まだまだ修正点がある。世界は胸を張って“取れます”と言えるようになってから」と、万全を期す構えだ。【首藤正徳】

