ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(32=大橋)が5月2日、東京ドームでWBA、WBC、WBO世界同級1位中谷潤人(28=M・T)との防衛戦に臨むと6日、発表された。24年5月のルイス・ネリ(メキシコ)戦以来、2度目のドーム参戦。元統一ヘビー級王者マイク・タイソン(米国)と並ぶ2度目のメインを務める。またWBC世界バンタム級王者の弟拓真(30=大橋)が同級4位井岡一翔(36=志成)との初防衛戦も決定。都内のホテルでカード発表会見が行われ、4人が思いの丈をぶつけた。
◇ ◇ ◇
井岡が、日本ボクシング界に新たな歴史を刻む。男子初の5階級制覇へ、最高の舞台は整った。王者井上拓と向き合うと、うなずくように会釈し、固く握手を交わした。同級転向2戦目で臨むタイトルマッチ。「この階級でチャンピオンに返り咲く。必ず成し遂げたい」と闘志を燃やした。
偉業達成に花を添えるには、これ以上ない相手だ。昨年大みそかの転向初戦。同級11位オルドスゴイッティ(ベネズエラ)を4回KOで下した後、リングサイドで視察していた王者に「ぜひ試合がしたい」と呼びかけた。「バンタム級で自分の一番大きな挑戦としては、井上拓真選手と戦うことが理想」。そう語る待望のカードが実現した。下馬評はハイレベルな技術の応酬による混戦。自身も「全体的に技術が高い。攻略するのは高い壁」と賛辞を惜しまない。その上で「成長、進化を求めて最大限に努力して試合を迎えたい」と頂点を奪う覚悟を示した。
決戦の地東京ドームは、ボクシング興行が過去に数えるほどしかない夢舞台。「それだけの注目度がないと難しい場所。まさか自分が立てるとは想像もしていなかった」と胸を躍らせる。メインでは4団体統一スーパーバンタム級王者の井上尚が元3階級制覇王者の中谷と激突。歴史に残るビッグイベントで、新たな金字塔を打ち立てる。「キャリアの中でもこういう舞台に立てる選手は多くない。強い姿を見せたい」と、誰よりも輝く準備を進める。
昨年5月、WBA世界スーパーフライ級王座奪還を懸けて挑んだマルティネス(アルゼンチン)に連敗。長く君臨した階級での復権はかなわなかったが、立ち止まることはなかった。同10月、所属ジムの興行でバンタム級転向を表明。前人未到の記録への挑戦を明言し、36歳はあと1歩のところまで来た。「成長を感じないと続けていけない。まだ先がある」。5月2日。道を切り開いてきた男が、新たな1ページを加える。【勝部晃多】

