大相撲の元小結羽黒岩の戸田智次郎さんが23日、故郷・宮崎県内の病院で腎不全のため死去した。70歳だった。日本相撲協会が24日、発表した。

 戸田さんは中学在学中に立浪部屋に入門。「戸田」の四股名で1961年(昭36)夏場所初土俵、65年九州場所で新十両、67年初場所で新入幕を果たした。

 前頭筆頭だった69年春場所2日目には、横綱大鵬から初金星。軍配は大鵬だったが、物言いが付いた末に、行司軍配差し違えで戸田の勝利となった。大鵬の連勝を「45」で止めたが、実際は戸田の右足が先に土俵外に出ており、「世紀の大誤審」として有名になった。ただし相撲内容は戸田が先手を取って押し込んでおり、大鵬は当時「相撲は完全に負けていた。あんな相撲を取った自分が悪い」と振り返ったほどだった。日本相撲協会が次の夏場所からビデオ判定を導入するきっかけの一番になったとも言われている。

 戸田は71年初場所から羽黒岩に改名し、73年夏場所で小結に昇進。78年初場所限りで引退し、雷親方として後進を指導、2011年6月の定年とともに退職していた。

 通算成績は、626勝624敗20休。金星は、大鵬と柏戸から1つずつ。敢闘賞1回。

 通夜は24日午後6時、葬儀・告別式は25日午前11時から、それぞれメモリアル日南(宮崎県日南市大字星倉5930)にて。喪主は妻の戸田安代さん。