16年九州場所以来、2度目の大関とりの関脇高安(27=田子ノ浦)が、東前頭3枚目の大栄翔をはたき込みで下し、新大関へ1歩踏み出した。1年ぶりの対戦で持ち前の突き押しで圧倒。場所前に追手風部屋への出稽古で相撲を取ったこともプラスになった。

 高安は立ち合いでかち上げ気味にぶつかって距離を取り、激しい突き押しで大栄翔の首元を攻め立てた。突き押しが得意な相手を防戦一方にさせ、懐に飛び込んできたところを右に体を開きながらはたいた。「前でしっかりと踏み込んで、突いて前に出られたので良かった。初日が肝心ですから」と満足した表情で話した。

 対策はすでに練られていた。高安は突き押しを得意とする相手が苦手で、克服のため場所前に追手風部屋へ出稽古。突き押しが自慢の大栄翔と胸を合わせていた。この日の取組後には「相手どうこうというよりは自分の相撲を取るだけ」と気にするそぶりは見せなかったが、良いイメージは脳裏にあったはずだ。