十両の優勝争いでトップを並走していた西5枚目の朝乃山(23=高砂)が、再び単独トップに立った。東十両14枚目の阿炎(錣山)を浴びせ倒しで破り11勝3敗。3敗で並んでいた大奄美(追手風)が敗れたため、8連勝した8日目以来の単独トップに立った。

 俊敏に動き回る阿炎に、やや手こずったが「相手がよく見えた」と話すように、常に相手を自分の正面に置いて足を運んだ。最後は左をおっつけるように体を預け、浴びせ倒した。

 「慌てないで自分の相撲を取ることが出来ました。それが結果に結びつけました」。初日から8連勝後、連敗で足踏みしたが、その後は3勝1敗と盛り返し「連敗もしたけど、切り替えて立て直せました」と話すなど、取り口同様、取材対応からも余裕が感じられた。

 7戦全勝で成し遂げた今年1月の幕下優勝に続く各段優勝に王手をかける価値ある白星。さらに幕内からの陥落力士数にもよるが、新入幕にも大きく近づく11勝目になった。両方とも勝ち取るためにも大事な、千秋楽の大一番。「明日また頑張ります」と、柔和な表情を最後まで崩さず帰路に就いた。