大相撲の平幕の貴ノ岩への暴力行為が発覚した横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が29日、宿舎を構える福岡・太宰府市の太宰府天満宮境内で、引退会見を行った。この日、日本相撲協会に引退届を提出。会見には、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)も同席した日馬富士と伊勢ケ浜親方の一問一答は以下の通り。

 -17年の相撲人生でしたが、どんな思い出がありますか

 日馬富士 相手がいての相撲なので、戦ってきたライバルに感謝ですし、そして相撲を通じて縁があって出会った方々の支えの下で、親方の教えの下で、おかみさんに支えていただいて今まできた。素晴らしい17年間でした。

 -5年前の九州場所で新横綱に昇進した。横綱とはどういうものでしたか

 日馬富士 (横綱に)上がった時も言いましたが、横綱としてみんなの基本と見本になる、横綱の名前に傷がつかないように精進して一生懸命頑張りますと。一生懸命、横綱として土俵に上がり、そしてお客さんに楽しんでいただける、喜んでいただけることを考えて、横綱としての責任を果たしまた。

 -日馬富士関の土俵人生は師匠から見てどんな土俵人生だったか

 師匠 とにかく稽古、稽古ですね。ここが痛い、あそこが痛いと弱音を吐かずにずっと頑張り続けてきた。相撲を見てもらうことで、みなさんに喜んでもらえたんじゃないかなと思います。

 -さき程の師匠の涙はどういう風に受け止めましたか

 日馬富士 今から10年前に父を事故で亡くして、そして僕のお父さんであり師匠であり、そして僕の憧れの師匠でもあり、いつも親方おかみさんに恩返ししたいな、喜んでいただきたいな、評価されていただきたいなという気持ちが。良い息子でいたいな、という気持ちが強かった。最後に世間を騒がしたことで、親方に申し訳ない気持ちで一杯です。これからも自分なりに恩返ししていきたいなと思います。

 -今回の件がなければ引退後も協会に残ろうという思いはありましたか

 日馬富士 相撲があっての私なので、相撲道に恩返ししたいなという気持ちはありました。

 -今後どのような人生を歩んでいきたいですか

 日馬富士 親方とおかみさんの教えの下、相撲で学んだことを活かして、人様に迷惑をかけないようにして頑張っていきます。