大相撲の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が9日、初場所(14日初日、両国国技館)に向けて、東京・江東区の尾車部屋に出稽古した。尾車部屋は前日8日には二所ノ関一門の連合稽古が行われており、2日連続で訪れた。嘉風と三番稽古を行い、14番取って12勝2敗だった。

 左の差し手を封じられ、上体を起こされる場面もあったが、動じることなくじっくり守りから攻めに転じ、右上手を取って寄り切るなど力の差を見せる取り口が目立った。敗れたのは、土俵際でもつれて後ろにもたれの形となった1番と、上手投げで嘉風を転がしながらも、わずかに先に土俵を割っていた1番の計2番だけだった。

 琴奨菊、嘉風を相手に計14勝3敗だった、前日の連合稽古に続き、4場所連続休場からの再起を予感させる内容だった。稽古後の稀勢の里は、充実した表情で「体と脳みそが、だいぶ良くなってきた」と、負傷続きだった過去4場所とは違い、自分のイメージ通りに力が出て、体も動く状態にたどり着いたことを、独特の表現で説明した。続けて「(嘉風は)当たりも強いし低いし、確認するにはもってこい。遠慮なく来るからうれしい。だいぶ良くなっていると思う。あとは場所で結果を残さないと」と、初場所出場を見据えていた。