13日目の取組が決まり、結びの一番は横綱鶴竜(32=井筒)-東前頭6枚目・魁聖(31=友綱)戦が組まれた。

 幕内の取組は、基本的に前日午前の取組編成会議で決まるもので、鶴竜-魁聖戦が決まった時点では、星の差1つ。この日の取組を終えても、両者ともに敗れたため1差のまま激突することになった。

 本来なら鶴竜は、番付でいえば上位の両大関と関脇御嶽海(25=出羽海)との残り3番になるところ。だが、優勝争いで星の競る力士(魁聖)がいること、三役(御嶽海)とはいえ不振であることが考慮され、御嶽海の横綱戦をなくして好カードを組んだ。終盤戦でまれにある、いわゆる「割崩(わりくず)し」と呼ばれるもので、取組を決める審判部の考えで実現する。

 最近では16年九州場所でもあった。千秋楽に組まれるはずの稀勢の里-琴奨菊の大関対戦が、13日目を終え琴奨菊が4勝9敗(稀勢の里は10勝3敗)と不振だったこともあり、割崩しされ、ともに平幕相手の千秋楽となった。当時の二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)は「それよりは面白い取組の方がいいという(審判部)みんなの意見で決まった」と説明していた。

 この割崩しを、八角理事長(元横綱北勝海)は「(魁聖は)優勝争いをしているし当然でしょう。審判部の(場所を)面白くさせるための判断。いい割が組まれたと思う」と評価。境川審判部長代行(元小結両国)も「魁聖が1敗だからね。優勝争いが一番(優先)。面白い取組を(ファンも)期待しているでしょうから」と説明した。