日本相撲協会は30日午前、東京・両国国技館で大相撲名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議を開き、千代の海(25=九重)の新十両昇進を決めた。

 千代の海はこの日午後、両国国技館内で師匠の九重親方(元大関千代大海)同席の元、晴れの昇進記者会見に臨んだ。

 夏場所は西幕下筆頭で4勝3敗。9日目の5番相撲で勝ち越しを決めた時点で、関取の座を有力にして「ガッツポーズしたいぐらいうれしかった。ずっと土俵に立っていたいな」と喜びを内に隠していたが、この日朝、朗報を耳にして「うれしかった。やっと関取になれた。同級生に追いついて、やっとスタートラインに立てた」と、あらためて喜びを実感した。

 日体大で同級生だった北勝富士(八角)や、大学は違うが同学年だった御嶽海(出羽海、東洋大卒)らライバルには先を越されたが「入門した時の記者会見で、目標は3年で関取になると言いました。周り(の出世)が早すぎて焦る気持ちもありましたが、自分の中でしっかり目標を立ててやってきた」と序ノ口から3年での新十両に気後れすることなく話した。

 序ノ口、序二段と連続優勝し、三段目からしこ名を、本名の浜町から千代の海に改名した。しこ名をもらった先代千代の海の岡部茂夫さん(72)にも電話で報告。現役時代、最高97キロながら突き押し相撲を貫き十両7枚目まで昇進した岡部さんも「喜んでくれました」と言う。

 先代九重親方(元横綱千代の富士、故人)から部屋を継承後、初の関取誕生となった九重親方は「まだボーッとしています」と夢心地の様子。「性格も陽気で前向き。若い衆の面倒もよく見てくれて稽古もよくやる力士。ボクとはまた違うタイプの突き押し相撲で、先代の教えやボクの経験の全てを注ぎたい」と目を細めていた。